〈グリーサルーン・デジタル版〉

「116年目の魂の定演に感動しました!」

記事掲載日:2021.01.27


116年目の魂の定演に感動しました!」

高橋 博(S47


肌寒い北山時雨の日曜日。京都コンサートホールの現役の定期演奏会にいってきました。
開演15分ほど前にホールに着くとまばらな人のロビーに森島OB会理事長がお客様をお出迎え中!ご苦労様そしてありがとうございますと感謝の気持ちでした。さらに村上副理事長や岡田事務局長の姿が・・・!聞けばお客さんは200人くらいとの予想。やはり少ないなあ・・・?と元マネジャー感覚の不安がよぎりました。
そして私の定番席の最後列に座るとまだ100名そこそこの入りお客さんです。
不安がますます募りました。
会場にはオンライン配信用のHDカメラ2台と固定カメラの計4台がスタンバイしていました。カメラマンの方に「よろしくお願いします」と声をかけて指定席に着きました。

開演。カレソン。数えると指揮者を入れて30人をきっています。
「🎵One purpose Doshisaha・・・」ん?マスク越しに爽やかな声が聞こえて来ました。
今の現役のカレソンのテンポは軽快ですがそのテンポが似合う声です。それでも最後はmolto rit でカレソンが終わりました。おお!現役の定演への気概が聞こえました。

1ステージは多田武彦の「雪国にて」。30年ほど前に聴いた多田作品でしたが・・・。
テナーのソロから始まると・・・?ええやん!学生指揮者の背中がだんだん大きく見えて来ました。バリトンのソロも良い!終曲の「🎵越後の冬は長いから 半年つづく冬だから」のフレーズは彼らのコロナ禍への不屈の心情が重なって鳥肌が立ちステージが涙?でかすみました。これはもう「天晴れ」の演奏。結果私のナンバー1のステージでした。

2ステージの「ロバート・ショウ」。現役時代から聞き慣れた合唱曲。「オーラリー」はどこかの演奏旅行で歌ったような・・・!少人数のためか個人的にはややダイナミズムに物足りなさはありましたがオールドグリーメンにはたまらないステージでした。伊東技術顧問のこのコロナ禍で練習できない環境を克服し男声合唱の魅力を狙ったであろう選曲でした。MCでも「全国の高校生の皆さん。ぜひ同志社を受験してグリークラブに来てください」はオンライン配信を利用したナイスなコメントでした。

そして第3ステージ「月下の一群」。FMで聴いた事はありましたがちゃんとステージで聴くのは初めてでした。この日唯一のピアノ伴奏曲。合わせ練習もままならない中でバランスも良く目を閉じて聞くと人数のハンディも感じさせない好演でした。特にテナー系はOBのヴォイストレーナー小貫氏効果なのか今年も健在でした。もちろんベース系もシッカリとホールの最後列まで聞こえて来ました。終曲のラストではとても30人を切る合唱とは思えないボリュームで魂の熱量!「同志社グリーは不滅!」の意を強くしました。

そしてアンコールは月ピエの「月夜」。「🎵月の光の照る辻に〜ピエロ〜」とテナー系の嘆くような叫びにベース系が包むように「ピエロ〜」とハモってくるフレーズで一気に我慢していた涙が溢れました。そして「ピエロの姿白ければ〜」とffで絶叫し「あたりしみじみみまわせど〜」と安らかなフレーズになるとこの日のお客さんが少ないこととマスクに救われる無様な顔になっていました。(笑)
最後の学指揮のアンコールは「ただただ現役の皆んなの今日までの努力と頑張りに感謝感謝する・・・」この日のエンディングに相応しいアンコールでした。

私はこの定期演奏会は後々まで語り継がれるグリークラブの歴史に残るそして残すべき演奏会だと思います。コロナ禍でほぼ日常のないクラブ活動をここまでリードしてまとめた幹事長。それを支えた指揮者と技術陣。その下で支えたマネージャーたち。特に女子マネは献身的に支えてくれたのだと思います。ほぼ全員が役職に就いて頑張ってくれたようです。そして貴重な歴史をつなぐ一回生が歌ってくれたこと・・・!
今の現役の皆さんの努力には尊敬と感謝しかありません。
コロナ禍で緊急事態宣言の発出された京都に「他府県ナンバーで高齢者が決死の覚悟」で出かけた第116回定期演奏会。本当に歴史的な演奏会に立ち会えたことに感激して帰途に着きました。現役の皆さん。関係者の皆さん。本当にありがとうございました。