〈現役情報〉

 定期演奏会を終えて

記事掲載日:2021.01.25

定期演奏会を終えて

116期幹事長 古川智也


2021117日、京都コンサートホール大ホールにおいて第116回同志社グリークラブ定期演奏会を開催いたしました。新型コロナウイルスの感染拡大により開催が危ぶまれましたが、OBの諸先輩方を始め多くの方のご支援をいただき開催することができました。この場を借りて厚く御礼申し上げます。
同志社グリークラブ116年目を迎えた今年度は苦難の一年となりました。昨年2月に開催された定期演奏会を終えて代替わりをした矢先に大学からの活動中止要請がかかり、計画していた「第115期卒団生のためのフェアウェルコンサート」を2日前に中止をする決断いたしました。その当時はここまで深刻な問題になるとはつゆ知らず、今だけ我慢すれば何とかなるだろうと楽観視していました。
しかしながら状況は悪化の一途を辿り、卒業式・入学式の中止、対面での新歓活動の中止と日を追うごとにますます活動の制限が加えられるようになっていきました。特に新歓がオンラインのみになってしまったのは我々にとって大打撃でありました。
学生の気質というものは時代が変われば当然変わります。ひと昔と比べ、現在はあらゆる物事が多様化している時代にあります。サークル活動も例外ではなく、グリークラブの魅力をいくら伝えたとしても合唱経験がない人に“男性だけ“の“合唱”をしたいと思わせるのは至難の技です。そのため例年は食事を奢ったり、京都観光に行ったりと合唱以外の面からも勧誘活動をしてきました。
しかしこのような活動を全くできなくなり最終的には男子部員4名、女子マネージャー3名という結果になりました。もちろんこの状況下で入ってくれた1回生には感謝していますし、同時に期待もしていますが、人数が少ないことも事実であり、コロナ禍の新歓活動の難しさを思い知らせれました。他のサークルの中には大学からの指示を受けつつもその穴を抜けるような活動をしているところもあったようですが、我々としては危険なことをしてグリークラブの名に泥を塗るようなことがあってはならないと考え決められたルールの中で活動してきました。今になって考えてみるとそのような団体の「やったもの勝ち」という状況になっているので、少しは危ない橋を渡るべきだったかと思う部分もあります。
新歓は我々の活動の根幹の部分であり、この4月からの新歓に同志社グリークラブの存亡がかかっていると言っても過言ではありません。現在後輩たちが一生懸命知恵を絞って「コロナ禍における新歓活動」を考えていますのでサポートをお願いいたします。
新歓が終わってからもコロナの影響はますます大きくなり、3月末から正式に大学から活動中止要請が出されてから6月末までの3ヶ月間全ての活動がストップしました。この3ヶ月の間に東西四大学合唱演奏会の延期、サマーコンサートの中止、コンクールの中止、全同志社メサイア演奏会の中止と立て続けに決定しました。同時に私たち116期が2回生の始め頃から温めてきた関西五連も例外なく中止となりました。この期間中は団員同士の接触が全くなく、コミュニケーションがうまく取れなかったため、グリーから気持ちが離れてしまう団員もいたように思います。
活動が再開できたのは7月中旬でしたが、大学の施設は借りられず、外部の練習場で45人でのスタートでした。1時間半の中でマスクをつけたまま壁に向かって歌うというルールを設け、それまでとは全く異なる形での練習でしたが久しぶりに声を重ねた時の喜びや感動は今でも覚えています。しかし、状況は良くなることはなく、当初10月に延期予定であった四連も中止となり、いよいよ定期演奏会を残すのみとなりました。その頃から「定演だけは絶対開催する」という強い気持ちで活動するようになっていきました。
コロナ禍で定期演奏会を開催するためには多くの課題をクリアする必要がありました。特に労力を費やしたのは大学との対話です。当初大学側からは集客人数は会場の規模に関わらず一律で80名という根拠に乏しい指示が出ていました。私自身生の音に勝るものはないと考えており、なるべく多くのお客様に会場で演奏を聞いていただきたいと思っていたので、このようなルールは受け入れがたいものでありました。そこで同志社の合唱団と手を組み要望書を提出したり、学生支援課へ我々の活動について直接話に行ったりと粘り強く交渉を重ねました。その結果、森島理事長、伊東先生を始めとする多くの先輩方のご尽力もあり定期演奏会の有観客での実施をすることができました。
また、定期演奏会ではオンライン有料配信という新たな試みも行いました。ノウハウが全くない中での取り組みで、配信業社を決めるところから始まり、通信環境の問題や権利関係の問題など苦労する部分が多々ありました。
以上の他にも演奏会前1ヶ月を切ったタイミングで学内の部活でクラスターが発生し練習ができなくなったり、最終的には陰性であったものの、2週間前に学生指揮者のゼミでクラスターが発生したため濃厚接触者認定を受けてしまったりと本番直前まで開催できるか分からない状況が続きました。
このような中で本番を迎えられたことはこれ以上ない喜びです。この1年間、これまで当たり前であったことがそうでなくなり、多くの苦労や悔しい思いをしてきました。しかし、最後に同期や後輩たちと最高の舞台で最高の演奏ができて本当に幸せな時間でした。ここまで頑張り抜いてくれた同期や後輩には感謝の気持ちを抱くとともにとても誇らしく思います。
最後になりますが、ここまで私たちの活動を支えてくださった皆様に改めて感謝を述べるとともに、次年度以降ますます厳しい道のりになるかと思いますので、今後とも変らずご支援のほどをよろしくお願いいたします。今まで本当にありがとうございました。


夏合宿

練習風景

ステリハ